トモダチ地獄~狂気の仲良しごっこ~
「梨沙は兄弟いるの?」

お昼休みになり薫子のパンを買うために一階の渡り廊下の先の購買へ向かう。

「ううん、あたしは一人っ子。薫子は?」

「私は妹が一人」

「へぇ、いいなぁ~!あたしも妹とかお姉ちゃんが欲しかったな」

女兄弟のいる友達が昔から羨ましかった。

物の貸し借りをしたり、悩みを相談したり愚痴ったり。

血が繋がっているということは思考が似通っていてもおかしくはないだろう。

自分と同じ感覚を持ち合わせている姉妹がいるなんてどれほど幸せなことなんだろう。

姉妹という深い関係にわたしは心底憧れていた。

「姉妹はいいわよ。私、妹が大好きだもの」

「そっか。仲いいんだね?」

「もちろん、大の仲良し」

薫子の妹……か。妹も薫子と同じ性格だったとしたら……ってそう考えるとちょっと怖い。

でも、お互いが好き勝手なことを言い合っていれば案外うまくいくものなのかもしれない。
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