トモダチ地獄~狂気の仲良しごっこ~
「梨沙は優しいのね。いつだって二人のことをかばってあげて」

「えっ……?」

「梨沙の正義感は尊敬に値するわ。でもね、あの子達は梨沙がかばうに値しない人たちよ」

「どういう意味?」

「まあきっと梨沙もそのうち分かるわ」

薫子はそう言うとお財布をギュッと握り締めて微笑んだ。

「さっ、早く戻りましょ。お昼休みが終わっちゃう」

薫子はあたしを置いて歩き出す。

その背中はなぜかとても楽しそう。

100円を盗まれたと深刻そうな表情を浮かべていたと思えば、今度は怪しい笑みを浮かべている薫子。

その変化に心臓がドクドクと震える。

『あの子達は梨沙がかばうに値しない人たちよ』

薫子の意味深な言葉がなぜか妙に気にかかった。
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