コールドブック
「席つけ~!」
担任の小川が入ってきた。
「え~、なんかもう広まってるみたいだが、転校生がこのクラスに来た。入れ!」
そういうと、ドアがガラッとあいた。
背が高くて、整った顔立ち。切れ長の目。
まさしく、かっこいいヤツだった。
だけど、こう、人を寄せ付けないフインキが漂っているかんじ。
「隣町から転校してきた、掬本 孝治<キクモト タカハル>だ。菊本、なんか一言。」
小川が話を振ると、そいつは嫌そうな顔をして言った。
「よろしく。」
本当に一言だけだった。
席は、なんと俺の隣。
ちょっと気まずい。
とりあえず、なにか喋らないと。
「俺、新堂 智ってゆーんだ!よろしくな!」
「・・・よろしく。」
そっけな~・
ったく、せっかく声かけたのになんなんだあの態度。