コールドブック
Ⅱ できるヤツ
「ねぇねぇ、菊本君ってかっこいいねぇ!」
SHRが終わって、小川がいなくなると、女子が菊本のところへわんさかとやってきた。
「・・・。」
菊本は、ただ不満そうに机につっぷしている。
ふと目が合った。
だから、
「助けてやろうか?」
と口パクで言うと、少し悩んでからこくっと頷いた。
「おい女子、菊本だって女より男と話したいよな?そのへんにしといてやろうぜ。」
「えーだって・・・。」
「だってもくそもねぇの!ほら!行ったいった!」
手でしっしっとゆう仕草をすると、
「あ!わかった!サト(俺のあだ名)、嫉妬してるんでしょ?自分がモテないからって。」
一人が確信を持ったような口ぶりで言った。
「んじゃ、そういうことにしといて。」
「仕方ないわねぇ、じゃ、行こっか!」
そういって、女子は菊本から離れて行った。