コールドブック


「サンきゅーな。」

あ、やっとしゃべった。

「べつに~、ただ俺もお前と話がしたいだけ。」

ニッと笑ってみせると、菊本もクスっと笑った。

「なー、さっきの子、お前のことサトって呼んでたよな。なんで?」

「あー、お前、俺の自己紹介覚えてないの?智だからサトなんだよ。ほとんどのヤツが俺のことサトって呼ぶぜ。前だって話したこともないやつからサトって声かけられた。」

「あはは!そうなんだ。」

「だから、菊本も俺のことサトって気軽に呼んでくれていいから。」

「ん。そうする。」

「じゃぁ、菊本は『タカ』だな!」

なんていいネーミングセンス!

「なんでだよ。」

「え~だって孝治だからタカだよ!な!タカ!」

「なんか恥ずい。」

たしかに、名前を連呼せれると恥ずいかもな(笑)







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