【完】俺の隣にいてほしい。
「えっと、知らない人だらけで緊張したけど、授業はすごくわかりやすかったよ」


「へぇー、ならよかったじゃん。塾っていろんな学校の奴いるんだろ? 花園みたいに女子だけじゃねぇもんな」


「そうなんだよね。ふだん学校には女の子しかいないから、塾は男の子もたくさんいて、やっぱり慣れないよ」


「そっかー。まぁそうかもな。俺も男だらけの生活に慣れてるから、女がいっぱいいるとことか、無理かも」


そう言ってちょっぴり渋い顔をする椿くんを見て、ちょっと笑ってしまう。


「ふふ、椿くんでもそう思うんだね。でもきっと、椿くんは塾なんか行ったら、女の子にモテちゃって大変だよね」


「んー、どうだろ。でも、どうでもいい奴にモテても、べつに嬉しくねぇからな」


するとそこで、椿くんはチラッと私のほうを振り向いて。


「心音のほうこそ、男がほっとかないんじゃねぇの?」


「……えっ!」



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