【完】俺の隣にいてほしい。
「この問題は、これをxに代入して……」
「……あ、そっか! わかったかも。ありがとう!」
「ほんと? よかった」
その日の私は、塾の授業が終わった後、約束通り氷上くんに自習室で苦手な数学を教えてもらっていた。
氷上くんは私がわからない問題の解き方を丁寧に解説してくれて、その教え方はそのまま家庭教師にでもなれそうなくらいに上手でわかりやすくて。
さすが星川学園に通う秀才なだけあるなぁと尊敬のまなざしで見てしまった。
氷上くんに教えてもらうと、不思議と問題がスラスラ解ける。
「ごめんね、なんか付き合わせちゃって」
ひととおりわからない部分を教えてもらった後、問題集をしまいながら氷上くんに声をかける。
すると彼はニッコリ笑ってこう答えた。
「ううん、気にしないで。教えると俺も勉強になるし。それに、藤宮さんのためならどうってことないよ」
そんなふうに言ってくれる彼はやっぱりとても優しくて、昔のままだ。
「ありがとう。氷上くんは優しいね」
私が笑顔でお礼を言ったら、その瞬間彼の顔がほんのりと赤くなったような気がした。
「いや、そんなことないよ。こういうのは、藤宮さん限定だから」
「えっ……」
「……あ、そっか! わかったかも。ありがとう!」
「ほんと? よかった」
その日の私は、塾の授業が終わった後、約束通り氷上くんに自習室で苦手な数学を教えてもらっていた。
氷上くんは私がわからない問題の解き方を丁寧に解説してくれて、その教え方はそのまま家庭教師にでもなれそうなくらいに上手でわかりやすくて。
さすが星川学園に通う秀才なだけあるなぁと尊敬のまなざしで見てしまった。
氷上くんに教えてもらうと、不思議と問題がスラスラ解ける。
「ごめんね、なんか付き合わせちゃって」
ひととおりわからない部分を教えてもらった後、問題集をしまいながら氷上くんに声をかける。
すると彼はニッコリ笑ってこう答えた。
「ううん、気にしないで。教えると俺も勉強になるし。それに、藤宮さんのためならどうってことないよ」
そんなふうに言ってくれる彼はやっぱりとても優しくて、昔のままだ。
「ありがとう。氷上くんは優しいね」
私が笑顔でお礼を言ったら、その瞬間彼の顔がほんのりと赤くなったような気がした。
「いや、そんなことないよ。こういうのは、藤宮さん限定だから」
「えっ……」