【完】俺の隣にいてほしい。
思わずお互い声を上げる。と、同時に手に持っていたカバンを下に落としてしまった私。


慌てて拾おうと、一歩踏み出し、カバンに手を伸ばしたその瞬間……。


――バキッ!


右足に妙な感覚を覚えたのと同時に、なんだかすごく嫌な音がしたのがわかった。


あれ?私今、何か踏んだような……。


おそるおそる右足を上げる。すると、そこにあったのはなんと……。


「えぇっ! ウ、ウソッ……!」


自分のではない、誰かのスマホだった。


しかも、踏んづけてしまったせいで、画面がバキバキに割れてしまっている。


やだっ、どうしよう私……。壊しちゃった!?


するとその瞬間、後ろからトンと肩を叩かれ、声をかけられて。


「おいアンタ、大丈夫?」


「えっ……」


「ごめん俺、全然前見てなくて」



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