【完】俺の隣にいてほしい。
するとその時、どこからともなく甲高い女子の叫び声が聞こえてきて。


「キャーッ! 椿くん、いたーっ!!」


金髪の彼は、それにピクッと反応したかと思うと、瞬時に顔をひどくしかめ、ボソッと呟いた。


「……ゲッ」


何かと思って振り返るとそこには、この近くにある南女子(みなみじょし)という女子高、通称南女(なんじょ)の制服を着た派手な女の子たちの集団がいて。


「もうっ、椿くん待ってよ~!」


「いつになったらうちらとデートしてくれるの~?」


「えっ、ていうか、あの女誰!?」


そんなふうに言いながらこちらに駆け寄ってくる彼女たちのお目当ては、どうやら目の前にいるこの彼らしく。


それを見た彼は、何を思ったのか急に私の腕をガシッと掴むと、そのまま走り出した。


「くっそ、見つかった。おい、逃げるぞ」


「えっ!?」


「いいから一緒に来い」


「……ひゃあっ!」



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