【完】俺の隣にいてほしい。
女の子たちの集団から逃げるように走っていく彼に、わけがわからないままついていく私。


内心なんで私まで一緒に逃げてるんだろうと思ったけれど、スマホの弁償の件が済んでいないので、何もせず帰るわけにもいかなくて。


結局彼に腕を引かれるがまま、どんどん駅から離れていってしまい、気が付いた時には、学校近くの公園まで来ていた。


「……はぁ。さすがにもう、ここまでは追って来ねぇだろ」


金髪の彼は、そう言って立ち止まると、私の腕から手を離す。


「はぁ、はぁ……」


私は久しぶりの全力疾走に息があがってしまい、すぐには何も言葉が出てこなくて、呼吸を整えるだけで精いっぱいだった。


「おい、大丈夫か?」


そんな私を見て、彼が心配そうに顔を覗き込んでくる。


「……だ、大丈夫、です……」


途切れ途切れに言葉を発する私。


「わりぃ、アンタまで走らせて。あいつらマジでしつこくてさ。いつも追いかけまわしてくんだよ」


「あ、いえ……。そ、そうなんですね……」


「ところで、さっきの話なんだけど……」



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