【完】俺の隣にいてほしい。
するとそこで、彼はポケットからスマホを取り出すと、私の前に差し出してきて。


それを見た瞬間、私は再び先ほどの大失態を思い出して、ハッとした。


そ、そうだ私。さっき、この人のスマホを壊しちゃったんだ。


「これさ、画面割れてんだけど、一応電源はつくっぽい」


「あぁぁ……っ」


どうしよう。どうしよう。絶対怒ってるよね。


なんと言ってお詫びをすれば……。


「だから……」


「ご、ごめんなさいっ! 本当にごめんなさい!!」


慌ててまた頭を下げ、必死に謝る私。


「ちゃんと弁償します! 修理代、払いますから! だからその……許してください!!」


恐怖のあまり、涙目になりながら何度も謝罪してみたのはいいけれど、彼はすぐには何も答えなくて。


ますますどうしようと思い、おそるおそる顔を上げたら、そこにはキョトンとした表情でこちらを見つめる彼の姿があった。



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