【完】俺の隣にいてほしい。
言われて教室の入り口のドアのほうを見てみると、確かにそこにはサラサラの金髪がまぶしい椿くんの姿があって。見た瞬間ドキンと心臓が跳ねた。


わぁ、本当に来てくれたんだ。


隣には、隆太くんたちいつものメンバーの姿もある。


みんな緑丘の制服姿だから、余計に目立ってる。


「キャーッ! イケメンがいる!」


「あの金髪の人誰? カッコいい!」


椿くんはさっそく近くにいた女の子たちからキャーキャー騒がれているみたい。さすが、どこに行っても目立つんだなぁ。


「はぁ、ほんといつ見てもカッコいいよね~。私、今初めて話したんだけど、あまりにもイケメンだからドキドキしちゃった」


優里亜ちゃんも椿くんのほうを見ながらうっとりした顔で話す。


「あ、話したんだ?」


「うん。呼び込みしてたらいきなり現れて、『心音いる?』って聞かれて。やっぱり心音に会いに来たみたいだよ」


そんなふうに言われたら、思わず顔がにやけてしまいそうになる。


どうしよう、嬉しいな。


「ほら、行こう! 椿くん待ってるから」


優里亜ちゃんに手を引かれ、椿くんたちのいるところまで連れていかれる。


そしたら、椿くんが私の姿を見つけた瞬間、笑顔で声をかけてくれた。


「心音」


「椿くん! 来てくれたんだね、ありがとう」


「来るって約束したからな」



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