【完】俺の隣にいてほしい。
そんなっ! ウソでしょ……。


「俺最近、さっきいた南女の奴らに追われてて、すっげー迷惑しててさ。さっきもずっと追いかけ回されて逃げてたんだよ。だからこの際彼女できたってことにして、しばらくの間アンタが一緒にいてくれると助かるんだけど」


「え、で、でも……っ」


べつにそれ、私じゃなくてもいいのでは……?


よりによって、どうして私なんかにそんなことを頼むのかな。


なんてことが頭をよぎったけれど、それをそのまま口に出せるわけがない。


だって、相手はこんな金髪の不良男子だ。しかも緑丘の。


言い返したりしたら、何を言われるか……。


「それ引き受けてくれたら、許してやるよ」


「……っ」


戸惑いながら見上げると、不敵な笑みを浮かべる彼の顔。


どうしよう、やっぱり怖い。


でもその顔は、よくよく見れば見るほどすごく整っていて、綺麗で。


彼が他校の女子生徒に追いかけまわされるほど人気だというのも、確かに納得できるような気がする。


こんな人の彼女のフリを、私が? 本気なのかな?


できる気がしないよ……。



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