【完】俺の隣にいてほしい。
その子が注文を取って去っていった後に、仲間の一人であるカジがボソッとこんなことを言いだした。


「なぁ、今の子、椿のこと見て顔赤くしてなかった?」


「あぁ、それ、俺も思った! 絶対今椿にキュンとしてたよな~」


「はぁ? そうか?」


確かに照れたような顔はしてたけど、そんなこと俺にはどうでもいい。


「絶対そうだって。さすが、椿はどこ行ってもモテるよな~。しかも、結構可愛い子だったじゃん」


「可愛かった! まさに萌え系。どうよ? ああいうタイプ」


「べつに、興味ねぇよ」


俺がそう答えると、隆太がニヤニヤしながら顔を覗き込んでくる。


「そっか~。まぁ、椿には心音ちゃんがいるもんな~。彼女一筋ってやつか」


そんなふうに言われて、実際は彼女ではないけれど、心音にしか興味ないのは事実なので、ドヤ顔で頷いてみせた。


「当たり前だろ」


「くーっ! かっこいいぜ~」


「なぁ、あっちの席、なんかやたらメイド集まってるけど、なんだ?」



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