【完】俺の隣にいてほしい。
するとそこで、カジが窓際の席のほうを指差した。


見てみると確かに、なぜかそっちの席にはメイドたちがたくさん集まって、男子高校生三人組の客を囲んで喋っている。


「ほんとだ」


「あぁ、あそこに座ってる奴ら、星川学園とかいうエリート進学校の奴らじゃん」


確かにそこにいたのは星川の男子生徒たちで、みんな爽やかで育ちがよさそうな奴らだった。


それにしても、仕事そっちのけで男と喋ってるメイドたちはなんなんだ。見ていて呆れてしまう。そんなに星川の男って人気あんのか?


「えーっ、帰国子女って本当? 英語話せるの? カッコいい~!」


「やっぱりT大とか目指してるの?」


「まあね。うち、親もT大卒だからさ」


「キャーッ! すごーい!」


さらにはその会話がこちらにまで聞こえてきて、俺たちは思わず渋い表情をしながら顔を見合わせた。


「なんだなんだ? キャーキャー騒いじゃって。合コンかよ」


「聞いたかよ、T大だってよ。超難関大じゃん。ったく、女ってどうしてああいう頭良くて爽やかそうな奴が好きなんだろ」


「まぁ、花園はお嬢様だし、頭もいいから理想は高いんじゃね? 彼氏にするなら星川男子ってみんな言ってるらしいぜ」


「ケッ。あんなインテリ野郎のどこがいいんだか」



< 215 / 311 >

この作品をシェア

pagetop