【完】俺の隣にいてほしい。
そんなことを思いながら歩いていたら、ちょうど心音のクラスの前までたどり着く。


教室のドアには『本日売り切れ』と書かれたポスターがデカデカと貼ってあり、どうやら今日はもうクレープが売り切れてしまったようだった。


ってことはもう、店じまいか。客はいねぇってことだよな。


なんとなく気になって、チラッと中を覗いてみる。


すると、教室内には女子が数人輪になって話していて、その中にはなんと、心音の姿もあったのでビックリした。


あれ? さっきまで氷上と一緒にいたはずじゃ……。


いつの間に教室に戻ったんだ?


声をかけようか迷ったが、クラスメイトと話しているみたいなので、かけづらい。


仕方ねぇ。引き返すか。


すると、その時女子たちの会話がこちらまで聞こえてきて。


「ねぇねぇ、心音ちゃんは好きな人いるのー?」


いきなりとんでもない質問が飛び出してきたので、その瞬間ドキンと思いきり心臓が跳ねた。


おい、ちょっと待て。何話してるのかと思ったら、そういう話かよ。


これは俺、聞かないほうがいいんじゃねぇのか?


でも、こんなの気にならないわけがない。



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