【完】俺の隣にいてほしい。
すると彼はそこで、何か思いついたように急に立ち上がると、そのままなぜか私側の座席までやって来て、隣に腰掛けてきた。


そして、私の片手をそっと握って。


「じゃあ俺も、こっち座るな」


「えっ」


微笑みながら私を見つめる彼と目が合って、ドキッと心臓が跳ねる。


「隣にいたほうが怖くねぇだろ」


「う、うん」


わぁ、どうしよう……。どうしてそんなに優しいんだろう。


そんな彼氏みたいなことされたら、ますますときめいちゃうよ。


もう私、今日何回椿くんにときめいてるかわからないな。


握られた手が、すごく熱いよ……。


――グラッ。


するとその時、ちょうどてっぺんあたりに着いたのか、観覧車が一瞬大きく揺れて。


「きゃっ」


ビックリした私は、思わず椿くんの体にギュッとしがみついてしまった。



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