【完】俺の隣にいてほしい。
急に図星を突かれたものだから、また驚いた。


「う、うん」


「やっぱり、そうか」


えっ。やっぱりって……?


「じゃあ、俺じゃ役不足だな」


その言い方はまるで、氷上くんは私に好きな人がいるって最初から感づいていたかのようだった。


「でも、俺はこれからもずっと、藤宮さんと友達でいたいって思ってるんだけど、いいかな?」


そう言って、握手を求めるように右手を差し出してくる彼。


「振られちゃったけど、気まずくはなりたくないしさ。これからも友達として仲良くしてもらえると嬉しいなって」


その言葉を聞いて、私はすかさず自分も右手を差し出した。


私だって、氷上くんとは気まずくなりたくないし、これからもずっと友達でいたい。


だから、なんだかすごく救われた気持ちになる。


「も、もちろんだよっ。氷上くんは昔からずっと、大切な友達だよ」


「ありがとう」



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