【完】俺の隣にいてほしい。
椿くんは、どこにいるんだろう。そろそろ出てくるかなぁ。


スマホのメッセージを再び確認してみる。だけどまだ既読にならない。


緊張と心細い気持ちで、そわそわしながら待っていたら、そこでいきなり近くを通りかかった男子生徒に声をかけられた。


「ねぇねぇ、彼女」


「ひゃっ」


ポンと肩を叩かれ、ビクッと体が跳ねる。


「どうしたのー? こんなとこで。誰か探してる~?」


「え、えっと……」


どうしよう。なんて答えれば。


するとその後ろから新たにもう一人男子が現れ声をかけてきて。


「えーっ、なにこの子、超可愛いじゃん。なぁなぁ、もし暇だったらこのあと俺と遊びいかない?」


「え、いや……っ」


いきなりナンパされたものだから、なんて断ったらいいかわからずオロオロしてしまった。


そしたらそこで最初に声をかけてきた男の子が、その人をキッと睨みつけて。


「待てよ。俺が先に声かけたんだぜ」


「はぁ? 俺が先に見つけたんだけど」


「なんだと? やんのかコラ」



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