【完】俺の隣にいてほしい。
だから私はもう一度彼の顔を見上げ、ハッキリと言い放った。


「そんなわけないよっ。私は椿くんがいい。私が好きなのは、椿くんだけだよ」


どうしようもなく好きなんだってことを、伝えたくて。


「椿くんじゃなきゃ、ダメなの……」


すると、椿くんがそんな私をまっすぐに見下ろすと、そっと頬に片手を添えてきた。


「……俺も。心音がいないとダメっぽい」


その瞬間ドキンと高鳴る心臓。


目が合ってじっと見つめ合ったらまた、鼓動がどんどん早くなっていく。


そして、そのままゆっくりと彼の顔が近づいてきて、優しく唇が重なった。


初めての感触に、かぁっと全身が熱くなる。


あぁ、どうしよう。私、椿くんとキスしちゃった。


ドキドキしすぎて心臓壊れちゃいそう……。


だけど、これ以上ないくらいに胸がいっぱいで、満たされた気持ちになる。


両想いってこんなにも幸せなんだね。知らなかった。



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