【完】俺の隣にいてほしい。
そっと唇が離れて、再び目が合うと、なんだか急に照れくさくて顔が真っ赤になる。


そんな私を見て微笑む椿くん。


「ほんとは全然心音のこと、あきらめきれてなかったからな。会いたくてたまんなかった」


「わ、私もだよ……っ」


「だから、これからもずっと、俺の隣にいてほしい」


椿くんがそう言って、まっすぐな目で私を見つめる。


「うん」


ハッキリと頷いたらまたギュッと両腕で抱きしめられた。


「勘違いしてごめんな。でも、もう絶対離したりしねぇから」


彼の背中に腕を回し、自分もギュッと抱き着く。


私だってもう、絶対に離れたくない。


ずっとずっと、椿くんの隣にいたいよ……。



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