【完】俺の隣にいてほしい。
――ガタン。


するとその時、電車がゆっくりと停車して、反対側のドアがプシューッと開いた。ぞろぞろと新たな乗客が何人も乗り込んでくる。


その中にとある派手な5人くらいの男子集団を発見した瞬間、私は思わず身をすくめた。


あれは……うちの学校の近くにある男子校、緑丘(みどりおか)工業高校の男子生徒たちだ。


緑丘と言えば、ここらでは不良だらけで有名な学校で、

みんな髪を明るく染めて耳にはピアスをしていて、制服をだらしなく着こなしたヤンキーばかりというイメージ。


喧嘩っ早いので、怒らせたらすぐ殴られるから気を付けろとか、「ガンを飛ばした」と思われるから目を合わせたら終わりだとか、

男子校で女に飢えてるから片っ端から可愛い子をナンパしまくっているとか、いろんな怖い噂が流れていて。


私もできれば関わりたくないというのが正直なところ。


実際朝のこの通学電車でたまに同じ車両になる緑丘の生徒たちも、噂通りの派手で不良っぽい風貌の人たちばかりなので、

見かけてもなるべく目を合わせないようにしていた。



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