【完】俺の隣にいてほしい。
思いもよらない彼の返しに、わけもなく照れてしまう。


長年の片思いだなんて……。


「はっ? 片思いって、何!?」


「どういう意味? だって、付き合ってたんじゃ……」


「とりあえず行こうぜ」


驚く友達をよそに、椿くんは私の手をサッと取ると彼らのほうに向きなおって。


「詳しいことはまたあとでな」


それだけ告げると私を連れて、そのままスタスタと歩き出した。


「お、おいー!」


「待てよ椿―!」


隆太くんたちの声を背に、自分も椿くんについて歩いていく。


なんだか嬉しいような、照れくさいような……。


だけど、再び彼とこうして手を繋いでいられることが、すごく幸せだなと感じる。


大好きな彼の隣に、今度は本物の彼女として並べるようになったんだ。


勇気を出して、思いを伝えてよかった。またこの場所に戻ってこられてよかった。


彼の手の温もりを感じながら、心の中で強くそう思った。


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