【完】俺の隣にいてほしい。
そして、そう口にしたかと思うと、手を繋いだまま私の顔を下から覗き込んできて。そのままそっと口づけてきた。


「……っ」


柔らかい感触がして、同時に心臓がドキンと跳ねる。


わあぁ、どうしよう……。まさか、ほんとにキスするなんて。


一気にまた顔が熱くなって、ドキドキが止まらなくなる。


なんだか椿くん、付き合ってからますます甘さが増したような。


私、この先心臓がもちそうにないよ……。


唇が離れたあと、真っ赤な顔で私がうろたえていたら、ふと椿くんが話題を変えるかのように尋ねてくる。


「ところで、今日どこ行きたい?」


「え、えっと……」


どこがいいかなぁ。


いつもこうやって聞かれると、優柔不断な私はなかなかすぐに答えられないんだ。


そして迷った挙句、口にしたのは結局。


「椿くんと一緒なら、どこでもいいよ」



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