【完】俺の隣にいてほしい。
ガヤガヤと騒がしいゲームセンターの中は、放課後の学生たちでいっぱいだった。


普段あまり来ない場所なので少し緊張しつつも、あたりを見てキョロキョロしてしまう私。


目の前に並ぶクレーンゲームの中には、色とりどりの可愛いぬいぐるみがいっぱい陳列されていて、見ていたらなんだか欲しくなってくる。


昔から動物とかぬいぐるみが大好きな私は、こういうのを見るとついテンションが上がってしまうんだ。


魅力的な景品たちに目を奪われていたら、椿くんがそんな私の顔を横からひょいと覗き込んできた。


「なに、なんか欲しいもんでもあった?」


「えっ! いや、そういうわけじゃないけど……。可愛いなぁと思って見てただけだよ」


「ふーん。女子ってやっぱぬいぐるみとか好きなんだ」


そう言われて、少し照れながら頷く。


「うん」


子供っぽいって思われたかな。


すると彼は、クスッと小さく笑ったあと、


「心音はどんなやつが好きなの?」


なぜかそんなふうに質問してきた。


「え、えっと……」



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