【完】俺の隣にいてほしい。
その後、椿くんと一緒にいろんなゲームで遊んだ。銃でゾンビを倒したり、カーレースをしたり……。


どのゲームも私は初めて挑戦するものだったのですぐに負けてしまったけれど、椿くんは遊び慣れているのか、すごく上手だった。


こんなふうにゲームセンターで遊ぶなんて久しぶりなので、なんだかとても楽しく感じる。


「難しかった?」


椿くんに問いかけられ、頷く。


「うん。難しかったけど、面白かった。椿くんはゲーム得意なんだね」


「べつに、得意ってほどでもねぇよ。友達とかもっと上手い奴たくさんいるし」


「そうなんだ。友達ともよく遊びに来るの?」


「うん。まぁ、暇つぶしにな。花園の女子はあんまゲーセンとか行かなそうだもんな」


「あ、あんまり……。でも、プリクラくらいは撮るよ」


私が答えると、椿くんはプリクラのコーナーにちらっと目を向けて。


「へぇ。プリクラか。じゃあ俺と一緒に撮る?」


「えぇっ……!」


思いがけないことを言われたので、思わずギョッとしてしまった。


ウソッ、一緒にって……椿くんと二人で⁉


そしたら椿くんは私のリアクションを見るなり、噴き出すように笑った。


「ぷっ、冗談だよ」


……な、なんだ、冗談か。


ほんとにプリクラを一緒に撮るのかと思ってドキッとしちゃったよ。



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