【完】俺の隣にいてほしい。
「あ、でも俺、このゲームなら得意」


すると、椿くんはそこで、すぐ近くにあったバスケのゲームの前で足を止める。


それはよくあるバスケットのゴールにシュートをして遊ぶタイプのゲームだった。


得意ってことは、椿くんはバスケ経験者なのかな?


そう思って彼に尋ねてみる。


「椿くん、バスケできるの?」


「うん。中学の時はバスケ部でキャプテンやってたから」


「えっ、すごい!」


キャプテンって、そんなに上手だったんだ。


すると、椿くんはカバンを下に置き、ブレザーを脱ぎ始める。


そしてワイシャツを袖まくりしたかと思うとさっそくゲームをプレイし始めたので、私は隣でその姿をじっと見ていた。


バスケットボールを手にした瞬間、綺麗なフォームで軽々シュートを放つ彼。


そのボールは一発目から見事にゴールのリングの中にスッと入って、私はパチパチと拍手なんかしてしまった。


す、すごい。カッコいい……。



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