【完】俺の隣にいてほしい。

ど、どうしよう。話しかけられちゃうのかな？　連絡先教えるとか、そんなの無理だよ。


あんな怖そうな人たちと、関わりたくないのに……。


するとそこで、一人の男の子が静かに口を開いた。


「バカ、やめろ。電車の中でナンパとかダッセーことすんじゃねーよ」


ワイワイ騒ぐ仲間たちに向かって、低い声で説教するかのように言い放った彼。


思わずドキッとしてそちらに目をやると、視界に入ったのは、まぶしいくらいの金色の髪の毛で。


顔はよく見えなかったけれど、存在感抜群のその男の子は、一人だけ明らかに他の男子たちとは違うオーラを放っているように見えた。


彼がそう言うと、バカ騒ぎをしていた男子たちは、なぜか一気に静かになる。


「あ、あぁ。そうだよな」


「はは、たしかにいきなり集団で声かけたらやべーか」