【完】俺の隣にいてほしい。
それにしても、みんな不良っぽくて怖そうな見た目の人ばかりで、思わず委縮してしまう。


「うるせぇな。お前らこそ何やってんだよ」


そんな彼らに向かって、椿くんが少し渋い顔をしながら答える。


するとそこで、その4人組の中で一番派手な見た目のツンツン頭の男の子がいきなり何か気が付いたように私を指差して、大声をあげた。


「あーっ!! っていうかこの子、朝の電車でたまに見かける子じゃん!」


……えっ?


「うわ、ほんとだ!」


それに続くように他の仲間も驚いた顔で私を見てくる。


言われてよくよく彼らのことを見てみたら、確かに自分も朝の電車で何度か見かけたことがあるような気がした。


ということは……この人たちが朝椿くんと一緒に電車に乗り込んでくるあの緑丘の男子集団で、この前ナンパしようとしてきた人たちってことだよね?


あまりジロジロ見ないようにしてたから顔までははっきりと覚えてないけど、このツンツン頭は見覚えがあるかも。


なんか、ますます気まずい……。



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