【完】俺の隣にいてほしい。
だから俺は、『修理代を払います』という彼女の申し出をすかさず断った。
代わりに『俺の女よけになってくんない?』なんて、ふざけたことを言った。
もちろん彼女は戸惑ってたし、内心嫌だったんじゃないかと思う。
彼女みたいな花園のお嬢様が、俺みたいな奴の彼女のフリをするなんて、普通だったら断るだろう。
でも、彼女はスマホを壊した罪悪感からか、しぶしぶその頼みを引き受けてくれた。
正直すげぇ無茶ぶりだったと思うし、かなり強引だったと思う。
それでも俺は、このチャンスを逃したくなかった。
少しでも、彼女との距離を縮めたかった。仲良くなるキッカケが欲しかった。
彼女はたぶん、俺のことなんて知らなかっただろう。
覚えてもいなかったと思う。
でも俺は、ずっと前から彼女を知っていた。いつも見ていた。
あの時からずっと、彼女のことが好きだった――。
.
*
.
代わりに『俺の女よけになってくんない?』なんて、ふざけたことを言った。
もちろん彼女は戸惑ってたし、内心嫌だったんじゃないかと思う。
彼女みたいな花園のお嬢様が、俺みたいな奴の彼女のフリをするなんて、普通だったら断るだろう。
でも、彼女はスマホを壊した罪悪感からか、しぶしぶその頼みを引き受けてくれた。
正直すげぇ無茶ぶりだったと思うし、かなり強引だったと思う。
それでも俺は、このチャンスを逃したくなかった。
少しでも、彼女との距離を縮めたかった。仲良くなるキッカケが欲しかった。
彼女はたぶん、俺のことなんて知らなかっただろう。
覚えてもいなかったと思う。
でも俺は、ずっと前から彼女を知っていた。いつも見ていた。
あの時からずっと、彼女のことが好きだった――。
.
*
.