【完】俺の隣にいてほしい。
その言葉に再びドキッと跳ねる心臓。


ねぇ、なんか今、サラッとすごいことを言われたような……。


私といる時間が貴重だなんて。椿くんは、そんなふうに思ってくれてるの?


だからわざわざ、『朝も会える?』なんて聞いてくれたのかな。


どうしよう。もし本当なら、とっても嬉しいかもしれない。


そのまま椿くんと二人で話しながら電車に揺られていたら、いつの間にか次の駅に停車し、そこからまたさらに乗客が乗り込んできて、車内が一気に混雑し始めた。


ドアを背に、ギュウギュウの車内で一人縮こまる私。なんだかちょっと息苦しい。


掴まるところもないから、揺れるたびに隣の人に寄りかかってしまいそうで、必死で足を踏ん張って振動に耐える。


――ガタン!


すると、そのときまた電車が大きく揺れて、その瞬間目の前にいた椿くんがドアに片手をついた。


彼に囲い込まれて見下ろされているような体勢になって、思わずドキッと心臓が跳ねる。


「わりぃ。大丈夫か?」



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