【完】俺の隣にいてほしい。
椿くんが心配そうに、私の顔を覗き込んでくる。
「う、うんっ。大丈夫だよ」
顔を上げるのが恥ずかしくて、下を向いたまま頷いたら、彼がボソッと呟いた。
「揺れるから、俺につかまってれば?」
思いがけないことを言われて、戸惑う私。
「えっ、でも……」
「遠慮すんなって。俺の腕掴んでていいから」
そんなふうに言われて、おそるおそる彼の片腕を掴む。
その感触は意外とガッチリしていて、男の子の腕って感じがして、なんだかますますドキドキしてきてしまった。
「あ、ありがとう……」
だけど、必死で踏ん張っていたところだったので、掴む場所ができて正直助かったかもしれない。
ガタンゴトンと揺れる電車の中、椿くんの腕を掴んだまま立ち続ける。
電車が傾くたびに彼の胸に顔が当たって寄りかかるような体勢になってしまい、そのたびに恥ずかしさで顔が熱くなる。
どうしよう。近いよ……。
チラッと見上げると、彼の鎖骨や喉仏が目に入って、それにまたドキドキしてしまう。
男の子にこんなに密着したのって、初めてかもしれない。
椿くんの胸元からは、ほんのりと香水のような柑橘系のいい香りがした。
「う、うんっ。大丈夫だよ」
顔を上げるのが恥ずかしくて、下を向いたまま頷いたら、彼がボソッと呟いた。
「揺れるから、俺につかまってれば?」
思いがけないことを言われて、戸惑う私。
「えっ、でも……」
「遠慮すんなって。俺の腕掴んでていいから」
そんなふうに言われて、おそるおそる彼の片腕を掴む。
その感触は意外とガッチリしていて、男の子の腕って感じがして、なんだかますますドキドキしてきてしまった。
「あ、ありがとう……」
だけど、必死で踏ん張っていたところだったので、掴む場所ができて正直助かったかもしれない。
ガタンゴトンと揺れる電車の中、椿くんの腕を掴んだまま立ち続ける。
電車が傾くたびに彼の胸に顔が当たって寄りかかるような体勢になってしまい、そのたびに恥ずかしさで顔が熱くなる。
どうしよう。近いよ……。
チラッと見上げると、彼の鎖骨や喉仏が目に入って、それにまたドキドキしてしまう。
男の子にこんなに密着したのって、初めてかもしれない。
椿くんの胸元からは、ほんのりと香水のような柑橘系のいい香りがした。