先生、私のこと好きでしょ?

お姫様に口付けを。。

まさか、まさか。

こんな人がたくさん集まる中で、メイクするの?


蓮さんに助けを求めようとしたけど、キラキラした瞳で見つめられたら、素直に従うしかない。

楽しみにしてくれてる?

そう感じたらーーあとは動けない。

ジッ、と鏡の前にいるしか出来なくて。
近くに美人モデルあげはさんがいるのーーードキドキした瞳で待ち望む。


よく考えたら、あげはさんにメイクして貰うってかなり誇らしく、羨ましいことなんだ。


とても、平凡な学生である私がーープロにメイクして貰うってかなり貴重で。

「ーーすいません、わざわざこんな凡人をメイクとかっ」


凡人以下かも知れない。

「え、凡人?あははっ、天然なんだ。
あたしは綺麗なモノは磨きたくなる性分だからね!」



綺麗なモノーー?


綺麗なモノなんて、居ないけど。
だけどあげはさんは、私を見てニコリ、と笑った。

穏やかな表情が、蓮さんに似てーードキドキした。


あれ、だけど蓮さんの苗字って。


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