先生、私のこと好きでしょ?
「私はーーーー煌に頬を触られた。
奪うから覚悟しておいてって言われた。
ごめんなさい、ドキドキしましたっ」



怒られる覚悟に、泣きそうになってると不意に触れたのは、頬。



先生が、優しく頬に触れたーー。


壊れやすいモノを、優しく扱うそんな手にドキドキした私。


きっと、私は真っ赤だ。



チュッ。



頬に、先生の唇が触れた。



さらに、赤くなる私を、見てクスリ、と笑った先生は、意地悪な表情を向けた。

「ゆあ、キスしたい。
続きするー?」



えっ!




トイレ付近の一角。

見えない死角。


きっとここからじゃ、何をしても見えないであろう場所。


そう、キスぐらい。


キスぐらいしたって見えないで、あろう場所。




「やめとくか」




期待外れ?



いつも、意地悪な先生はやめてはくれない。

なのに、諦めのいい先生に、少しだけムッ、としちゃう私。

そんな私はイケナイ生徒だ。





だけどーー。




「そうですよね、煌が待ってるから」




諦めのいい私。


一歩踏み出そうとした足は、動けない。


前に伸ばそうとした手は掴まられて、固まったまま。




気づいたらアップの先生の顔。




え、、?




「え、先生っ!」


合わさる唇と唇。



優しいんだけど、少し荒っぽい先生のキスに、ドキドキする私の心は、乱される。



なんで、こんなキスーー?


大人なキスに、力が抜けそうになる私を支える逞しい腕。





「あーあ、我慢してたのに。

俺の前で赤松の名前出すとか、ゆあは小悪魔か。

覚えておけよ。

今度他の男の名前呼んだら





"お仕置きな"」




それってヤキモチーー?


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