先生、私のこと好きでしょ?
「あ、これも好きだったな。
フルーツの餅。キャンディボックス」


甘いフルーツの餅を、爪楊枝で刺して食べるんだけどーー。


「まあ、ゆあは1度も爪楊枝使ったこと無かったよな。
食い意地は昔から変わらないな!」



爪楊枝、刺さらないんだよ。

だけど、キャンディボックスか。

あの味は本当に好きで。

「先生、キャンディボックス欲しいな!
これなら3つは欲しい!


先生?」




固まる私。



先生が切なそうに、見つめていたから。



先生ーー?




急に襲う不安。

なんでそんな切なげに見るの?


「あー、分かった。

好きなだけ選べよ。
椅子に座ってるから、呼んでっ」



先生ーー?


さっきまでのテンションは、どこ行ったの?




ハイテンションだったよね。


「先生、一緒に選ぼうよ!
私、先生の好きなお菓子分からない!
教えてよ、先生!!」


私、バカみたいに泣きそうになってーー。


駄菓子屋には、親子連れもいて、だけど構っては居られない。


なんで、そんな悲しい顔してるのかとか。

まだ、付き合って日が浅いけどーー
「たくさん、知らないことあるから先生に教えて貰いたい!」





先生ーー行かないで。


離れて行こうとしないで。





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