先生、私のこと好きでしょ?
「落ち着いて沙月ちゃん!!」


いつも、冷静な判断をする沙月ちゃんがこうも落ち着かない姿に、私はびっくりした。


「いや、落ち着けないから。
なんで、よりによって悪魔?
赤松じゃないの?


ゆあが悪魔の手に落ちたとか、考えられない!」



絶対に落ち着いた様子はない。
沙月ちゃん、泳ぐまえから汗吹き出してるから。

額から水滴。



「落ちついて沙月ちゃん!!
ジュース買ってあげるからっ!」








なんて、子どもをあやすみたいな約束で。。




落ち着くわけないとは、思ったけど。






「やっぱり、夏は炭酸に限るね」






うん。。






落ち着いた沙月ちゃん。



手には、さっき私が買ってあげたメロンソーダ。






「私、先生が好きなんだ」







落ち着いた様子で、私は話した。


先生に助けられたショッピングモールでの、出来事。

嫌いな先生を好きになるまでに、与えられた時間はーー
早かった。



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