先生、私のこと好きでしょ?
「先生まで、迎え来たの?」

嬉しい。
先生が、迎えに来てくれた。
少しだけ照れ臭い、そんな笑いをした私。


「あー、護衛隊だからな」


護衛隊ーー?

「猿と雉がいたから連れてきた」

猿と雉(キジ)?



私は、たぶん猿と雉である2人を見た。

「どっちが猿で、どっちが雉か知りたいですね先生」


優くんは、嫌そうな顔で言った。

猿か、雉か。優くんの性格ならたぶん、猿かな。

人気者の煌に対立して、優くんもムードメーカーである分は、どちらも猿の様ではある。

「なんでもいいけど、集まれってよ。
よく、無事だったなってーー、ゆあ。
それ、似合うよ可愛い」


煌が選んだ水着。

ピンクのヒラヒラで、ハートが散りばめられた水着。

私には少しラブリー過ぎかな、とは思ったけど。

可愛いと、言われるのは嬉しいから私は笑顔になった。


「ありがとう、煌」


なんだ、煌はいつもと変わらない。
先生だって、普通の顔だ。


何一つ変わらない。


「よし、行くぞ」

パサッ!

頭から白いティーシャツが被せられた。

「えっちょい優っ!」


それは、私だけじゃない。

ティーシャツを着せられた沙月ちゃんがいた。


「着といて。絶対脱ぐなよ」


同じく、と言わんばかりに優くんは先生に同意した。

なんでーー?なんて、思ったけど、不満は溢さない。


あまりに真剣だったし。
優くんが先生と同意見なら、仕方ないと私は思ったから。

それは、沙月ちゃんも意見を合わす2人に不満を溢さない。

「いいけどさ、泳ぐ時は脱ぐよ?」


さすがに、泳ぐ時は脱ぐよ。

水に濡れて肌に張り付くと、なんかやだし。

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