先生、私のこと好きでしょ?
ギシっ。
車のフロントガラスに亀裂が入った。



えっーーーー何?
私を抑えていた男も、手をやめてその窓ガラスを眺めたーーーー瞬間。



パリンーーーー!!





運転席のフロントガラス一面が割れたんだ。




車の上にだれかいるーーーー。

青いスニーカーが見えた。



「あーあ、粉々だね?
でもーーーー仕方ないよな。


だって……俺のに手を出したんだからっ」








なんでーーーー?












「ゆあ、絶対、助けるからーー。
だから、泣くなよっ」










先生ーーーー。



私は涙目で、だけど確かに先生はそこに居て私を見つめてる。




「離せよーーーー、変態野郎共が!?」




ーーーー!!




割れたフロントガラスから、入ってきた先生の手は血だらけで。



1人の男の胸ぐらを掴んだ。





「生徒殴ったら、まずいんじゃ無いわけ?」






この人は、どこまでもずるい。










「だから?

お前らみたいなクソガキも、どうでもいいんだよ。職員会議もクソくらえだ!

ゆあを守れるならなあ!

先生なんて肩書きもいらねーんだよ!」





先生ーーーー。




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