先生、私のこと好きでしょ?
有名モデルが、立ち上げたブランドはagehaブランドと名がついて、社長でモデルの黒羽あげはさんは、世界を代表するアーティストと、とも言える。


テレビや雑誌でしか、見れないその人はーー滅多に店に出向くことは無いと聞いている。



「キャーあげは様!!」




え、え、あげは様?




店の中、賑わいの原因はーー




「え、まさか本物?」



黒羽あげはさん、そのものだった。





黒い服に、青い蝶が舞うドレスワンピースのあげはさんは、凄く綺麗。





そばに男性が1人、腕を組みエスコートしている。



かっこいいーー。




お似合いの2人に、見惚れていると隣からの視線に振り向いたら、ブス、とした蓮さんがいた。



蓮さん機嫌悪い?



「俺がいて、違うやつに見惚れるとはーーもっと調教が必要かな?」



ーーーー調教!!?



聞き間違い?



「ーー蓮さん、違いますよ!
あの2人、お似合いだなって見ていただけで、私にはー蓮さんしか見えません!!」



これだけは絶対、本当。

蓮さん以外の人には靡かない。
蓮さんしか見えない!!



私の必死さが伝わったのか、ふっ、と笑う蓮さんは上機嫌だ。



「だわな、分かってますけど?
ゆあが俺しか見えないのは、想定内」


想定内ってーー分かってるなら意地悪な質問して。



< 96 / 219 >

この作品をシェア

pagetop