桜咲く季節がめぐる瞬間(とき)
記憶(咲月side)
咲月side

私の目の前で、めぐるくんは赤い液体を流しながら倒れていた。

「めぐるくん!!!!!!」

うまく呼吸ができない。
酸素が、身体に入らない。

苦しい、どうしよう。

めぐるくんが、目を開けてくれない。
このまま、死んじゃうの?

そんなの、嫌だよ……!!!

「めぐるっ、くん!!! 目を、開けっ、て!! おねっ、がいっ!! ねぇ!!!」

暴走した車が人混みに突っ込んで、たくさんの人が重軽傷を負った。


めぐるくんは病院に運ばれた。

全身打撲と骨折。頭も打っていたけど、幸いにも命に別状はなかった。
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