桜咲く季節がめぐる瞬間(とき)
「面白かったねー!」
「うん」
「お腹すいた」
「あそこのお店に入ろうか」
「いいよ!」

僕たちが入ったのは人気のあるカフェ。
並んで待っていると「西宮」と名前を呼ばれた。

「こ、こんにちは」
「…友達?」
「はい」
「ふーん」

先輩はニヤニヤしながら視線を下に向けた。
その視線を追ってから、僕は慌てて手を離した。

「“そういう”友達?」
「“ただの”友達です。それに…」

僕が説明しようとした時、先輩は友達に呼ばれてカフェから出ていった。

先輩がいなくなってから軽くため息をついたのと同時に
「2名様でお待ちの、西宮様〜」
タイミングよく席に案内された。
< 4 / 20 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop