道案内のその後は
10日目

公園前に設置されている自動販売機の裏にあるベンチ。

ここが私の休憩場所。

よくぼーっとしに来る場所。



しばらくして私はスマホの電源を付け、原作者のSNSを開いた。そして舞台【終戦のエデン】が大千秋楽を迎えたことを知る。いや、知っていたからSNSを開いた。

「終わったんだ…」

普段なら真っ先に送っていただろう。


『大千秋楽おめでとうございます!!』


でも、まだ整頓できずにいる気持ちがたったその一文すら送信させてくれない。


「もう1回観たかったな…」


何も無い空にふっと漏らした言葉



その一言に




返事があるなんて




思ってもみなかった。









「観に来てくださいよ」










顔を空から移し目の前には


目深に被った帽子、黒縁の大きなメガネに、マスク……




そんなお決まりの変装アイテムを1つだって身につけず



素顔の柊さんが目の前に……



「幻覚?」



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