Love EaterⅡ


いつものソルトであるなら、

うおぉぉぉぉ!!

クソ可愛いっ!

無理ッ、襲いてぇぇ!!

くらいの語彙力崩壊な悶絶を心で叫んでいた頃だろう。

それでも、流石に今という瞬間は心の中でさえ叫ぶ余力もないらしい。

寧ろ……。

正直…キツイ……。

六花を愛らしく思う以上に…、いや、愛らしいと思うからこそ現状の状況で六花の匂いは自分を蝕む苦痛な物。

どうやら、一瞬にしてソルトの住処へ連れ帰ってくれたらしく、見渡す景観や馴染んだ空気には安堵を覚えるしありがたいとも思うのだが。

「……お前……何しに来た?」

「何しに来たとはご挨拶だなぁ。可愛い恋人がこーんな愛らしいナース服で訪ねて来たんだよ?そこは愛しのダーリンのお世話をしに来たに決まってるでしょ。お食事『あーん』から添い寝に……下のお世話も任せて…ね?」

「帰れ」

「…………」

いつものハイで変態な六花節。

プッと頬を膨らませた不満顔から夢見がちに頬を染めてはにかみど変態を炸裂するところまで。

そんな言動行動にソルトの『帰れ』なんて一言もお約束で想定内ではあったのだ。

それでも六花が思わず言葉を失ってしまったのはソルトの声音や表情に全くの余裕が不在であったから。

いつもであるなら怒号を飛ばしつつも何だかんだ受け止めてくれるのがソルトであるのだ。

それなのに、今目の前のソルトは本当に発した感情の一色。

本気で帰ってくれと。

迷惑だと言わんばかりの言動と絡まぬ視線と。
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