Love EaterⅡ
やらかしてしまった。
政府を震撼させるであろう大失態をとうとうに…。
満月効果プラス魔女戦後の後遺症が原因かであったとしてもだ。
それを言い訳に出来ない程の機密事項の漏洩の瞬間。
今の今まで脳内に犇めいていたピンクの煩悩など消し飛び、今はひたすらなる寒色系と言うのか。
人の姿であったなら向かい合う六花の双眸に映るソルトの顔は見事青ざめたものであっただろう。
悲しいかな、六花が見つめるソルトの姿はもふもふとした大きな犬。
それが何やらしょぼくれて項垂れているくらいしか情報は得られていない。
寧ろだ、未だソレがソルトであるかさえも半信半疑。
「えっと……ソルトがリッカで、…リッカがソルト??」
なんて、改めて口にし、指で答えを振り分けながら思案をしている途中らしい。
それでも、目の当たりにした現実を無理矢理に誤魔化す様な現実逃避をする様な六花でもない。
次の瞬間には脳内整理がついたらしく。
「…って!ソルトォ!?」
ポカンとしていた姿から一変。
飛びかかる勢いで顔を掴みに来た六花の姿にはソルトも驚愕に跳ね上がってしまった程。