Love EaterⅡ
勿論、そんなソルトなど御構い無し。
「え〜?ええ〜?!なになになにっ!?何故にワンちゃん化!?」
『いや、犬って言うか狼だから』
「アオアオ言ってるぅぅぅ。可愛いけど何言ってるか分からないぃぃぃ。しかも、中身が齢26の成人男子がワンワン言ってると思うとなんか痛くて泣けてくるよ!?」
『俺だって好きでアオアオ言ってんじゃねぇんだよボケェッ!!』
「そもそも何だってこんな姿にっ!?今更だけど本当にソルトなんだよね!?ソルトの服を着てるし。でもって…あの時のリッカでもある…って事な筈なんだよ…ね?」
『残念ながら俺なんだよ』
「大きさも毛並みも目の色も確かにあのリッカと同じなんだけど…」
『わかっちゃいたけどやっぱり言葉は通じねぇのな。いつ戻るか分からねえし…』
「他に確認できるとこ……」
こうして狼化してしまえば相変わらず会話は成立しない。
お互いに一方通行な独り言の場となっている現状には、ソルトも再び落胆して頭が下がってしまった。
それでも、不意に動きを見せた六花の指先にはすぐに意識が引き直されてしまう。
そうして視界に収めた六花のなんとも言えない恍惚顔には実にデジャヴ。