Love EaterⅡ
もしかしたら、今まで聞いた事が無かっただけでずっとこうだったのかという疑念もあったのだが。
その疑念は今本人の口から語られた返答で否定された。
と、なるとやはりあの魔女と対峙した際に今までになかった何かが覚醒したという事になる。
別に六花が何者でも良いと思う反面、この変化が気にならないわけでもない。
今は特別影響は見られないが、この変化が生命に影響しないとは言い切れない懸念もある。
六花がどんな化け物でも寄り添える覚悟はある。
不安なのはこの姿が目の前から消えてしまう事。
傷ついて苦しむような姿も見たくはない。
と、なると、やはりなあなあにはせずしっかりと六花の生態や素性を調べておくべきであるのだ。
そんな結論が出てしまえばソルトの脳裏にスッと浮かび上がるのはただ一人。
選択肢も迷いもなく浮かんだその姿には思わず重い溜め息を吐いてもしまうのだが。
「ソルト?」
「……六花、ちょっと…お前の事調べてもらおうか」
「調べる?」
「その眼の色の変化と伴う魔の気への…食欲?特効薬が効かないってのも後々の俺達の関係にも痛手だし」
「ん~、ソルトがそうしたいなら僕は構わないよ?この“食欲”に関しては然程の支障はないけどソルトとイチャイチャするには特効薬が効かないのは迷惑」
「じゃあ、俺の知り合い…てか、まあ、政府お抱えの魔導士なんだけど、そいつに頼んでもいいか?変わり者だけど腕は確かだから」
「フッ、変人と言いつつもソルトが頼っちゃうくらいには信頼してる人なんだね」
「うっ……そう……なのか?」
信頼?
俺が百夜を?