Love EaterⅡ


これだったら上辺から性質の悪い百夜の方がまだ幾分かマシかもしれない。

そんな風に項垂れて深くて重い溜息を吐いた刹那だ。

『で、質問にお答えしたのでこちらの質問を再投しますが、魔女の特効薬が効かなかったという案件の詳細をお答えいただけますか?』

「っ……」

ご、誤魔化されてくれなかったかぁぁぁぁぁ。

衝撃の追い討ちとはまさに。

いや、元々本来はこちらの衝突を避けての先程の事故だったのだが。

流石にもう誤魔化し様のない時雨の追求は口調は柔らかいのにどこか強固。

今にも目の前に足を組んで微笑みながら尋問する時雨の姿が浮かんできそうな程なのだ。

あぁぁぁ、これどっから話してみようものか…。

なんて、頭を悩ましている最中にも再三、

『リッカくん、』

「っ…あの、」

「ソォォルトォォォッ、終わった終わった、片付け終わったよぉぉん」

「ぅあっ!?っ…六花ぁっ!?てめっ…背後からタックルかましてくんじゃねぇっ!!ってか、電話中だってわかんねぇのかっ!?」

「電話ぁ〜?あ、例のソルトが信頼しきってる魔導師様って人?もしもぉ〜し?僕かっわいい〜魔女っ子の六花ちゃん16歳で〜す」

「あっ!?コラッ!!」

「いつも主人がお世話になってます」

「何いきなり雰囲気出した良妻ぶってやがる!?何が妻だ!押し掛け女房かっ!?言っとくが俺の戸籍の婚姻歴はま真っ新だかんな!?」

「えっ?結婚しないの?」

「うっ?!……あ、いや」

「未来形でも奥様は僕じゃないの?」

「いや、いやいやいや、そうじゃなくて……ってか、今そういう話する場合と違くてだな、」

「僕結婚式は人っ気無い教会で純黒のウエディングドレス着て静寂の中厳かにが良いな」

「葬式かっ!?目を輝かせて語る夢にしては仄暗すぎるだろっ!!」

「えっ、結婚って人生の墓場って聞き齧ったけど違うの??」

「それ違う。少なくとも結婚に夢みる乙女とは程遠い言葉だかんな」

「そうなんだぁ。てっきりお墓の中まで仲良くしましょって意味なのかと」

『ぶはっ…クックックッ、』

「っ……すみません時雨様っ」

通話中なの思いっきり忘れてアホ会話を繰り広げてしまったっ!!


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