Love EaterⅡ
空気読まずは六花のおはこで専売特許。
今もソルトの都合の悪さなど汲むでもなく、寧ろハツラツと状況悪化となる暴露を繰り広げてくれた始末。
今も尚、子供の様にソルトの背後から腕を巻きつけぶら下がっており『笑いを取れたね、ナイス夫婦漫才じゃない?』なんて嬉々としているのだ。
そんな六花の一言も当然機械越しに伝わっていたのだろう。
『フフッ、なんと言いましょうか、実に魔女らしくもあり、実に魔女らしくない快活なお嬢さんなようで』
「あああ〜、もう…はい、なんか諸々すみません…」
『やはり、あの時の魔女の香りは捕まった魔女ではなくそちらの彼女の物だったんですね?』
「っ〜〜〜はい。…嘘をついてしまって申し訳ありません。ただっ、コレには複雑な事情もあって…、それにこいつは魔女でこそありますが力の悪用なんて狡猾な事は微塵も頭にない奴で…」
『リッカくん、リッカくん。そんな慌てて言い訳せずとも、僕は別にお咎めしようなんて気はありませんよ?』
「へっ?」
『ただ、魔導師として研究者として非常に興味のある異例と言いましょうか。…そう、非常にね』
「………」
なんだろう?
いつも通りの半笑いで柔らかな口調ではあったのに、込められた念はガチだったような。
あれだ、口元は笑ってるのに目が笑ってないみたいな。
今の瞬間に研究者特有のマッドな部分がチラついた気がする。