Love EaterⅡ
当然居るのは百夜だけではなく、
「やあやあ、いらっしゃい」
と、いつものポジションで湯呑みを片手に声をかけてくる時雨の姿も。
それでも、2人の意識は挨拶程度にしかソルトを掠めず、直ぐに集中となったのは当然、
「これはこれは。魔女は人を惑わす妖しく美しい生き物ではあるけれど…。これまた洗練された綺麗なお嬢さんですね。ねえ?百夜殿」
「まあ、リッくんが大袈裟に惚気てたのとは違うってのは理解したな」
「艶やかな黒髪にきめ細かな白い肌、血色のいい唇に透き通る様な水色の双眸。…魔女と言うよりなにかの童話のお姫様の様ですね」
「それに…前も思ったがやっぱり纏う匂いの芳醇なこと。…ふむ、リッくんには実に勿体ない」
「本当年甲斐もなく自分の中の男が疼いてきますよねぇ」
「どうだい?リッくんなんて放っておいておじさんと遊ばないかい?」
「百夜ぁっ!!見た目詐欺のおっさんが!!変態発言も大概に…」
「いや、……僕ロリコンはちょっと…」
「っ……いや、六花。その返しは俺的にも際どく痛い。俺も際どくそのボーダー入るか入らないかのポジションなんだが?」
「いや、がっつり踏み越えてるでしょリッくん。なに自分だけ枠外に出ようとしてるの」
部屋に入るや否や、百夜と時雨の変態親父さながらの六花への悪絡みには、流石にふざけるな!と可愛い恋人ガードに徹したソルトだったが。
予想外の刃は庇っていた筈の背後から。