Love EaterⅡ
「あれ?リっ君、表の張り紙見なかった?」
「………見たよ」
お馴染み百夜の研究室の入り口。
まさに扉を開いた早々、ソルトを見るなり笑顔でそんな確認を入れてくる百夜にはソルトも口元をヒクつかせてしまう。
そして『コレだろ』と入室時に剥ぎ取った張り紙を突き出し、中に進みながら不満を零すのだ。
「なんだよコレ!」
「なんだよも何も…書いてあるまんまの意味だよ?」
「【惚気お断り】ってなんだっ!しかも対象はやっぱり俺なのかよ!?」
「この部屋で体質相談じゃなく恋愛相談をするのは君くらいだからねえ」
「俺がいつ惚気たっ!!」
「…常日頃、四六時中?口を開けばあの子との惚気話ばっかじゃないリっ君。正直お腹いっぱいというか、飽きたというか」
「おまっ…人の切実な悩みを…」
「ってことは、今日もまた碌でもないグダ話の為にここに来たね?」
「碌でもないとか言うなっ!」
俺にとっては切実なの!!と、ソルトがいくら訴えようが百夜には『はいはい』と実に軽くあしらわれてしまうここ最近。
それもその筈と言うべきか、ソルトとくれば事あるごとに百夜の部屋に訪れては鬱憤や悩みをぶちまけるようになっていて、しかも内容は六花との関係性の事ばかりときたものだ。